2013/03/31

Dhrupad Mela ドゥルパド・メーラー2日目と3日目

またすっかり時間たっちゃったー。
タイトルに「1日目」とか前回書いちゃったせいで引けなくなってしまったドゥルパド・メーラーのお話(笑)。


黄色いのは2日目、白い英語は3日目ですよ。

2日目といえばこちら、と思ったけど遠くから聴いていて写真撮ってなかった…。
Wasifuddin Dagar(以下ワシフさん)さんです。デリー在住のダーガル流派。

写真ないので去年の夏来日されたときの写真を載せておきます。こんな方です。


安定感と伸びるような声はいつ聴いても変わらない。
伴奏はいつもご一緒のモハンシャーム・シャルマさん。

夏に、少し一緒に過ごす時間を頂いたのですが、子供のころからひたすら音楽に向き合ってきた、それ以外のわずらわしいことなんか気にも留めないような、生まれながらの歌い手、そんな印象の人。

私の属するダーガル流派。Dagarというのはムスリムのお名前なので、Dagarと名前の付く方はみなさんムスリム教徒です。インドで著名なあるドゥルパド歌手が、ヒンドゥー教徒からムスリム教徒に改宗したことでこうなったのですが、ドゥルパドというのは純粋なヒンドゥー教から生まれた音楽。その世界観や歌詞はすべてナーダ・ヨガ(音のヨガ)に通じます。

そんなわけで、私のダダグルUstad Zia Mohiuddin Dagar(師匠の師匠)も、いまだ現役のダダグルの弟Ustad Zia Fariduddin Dagarさんもみんなムスリム教徒。

なのですが、先日グルジーとお話をしていていろんなことがクリアになりました。
みんな実は、心の中はヒンドゥ―教徒なのだとか。というか、ハーフ?

実際、ラマダン(断食)や毎日の礼拝など、通常ムスリム教徒が行うはずのことは、ほとんどされないそう。お家には大きなサラスワティの像が大事に飾られているし、毎日プージャもするのですって。

メーラー最終日にカネコテツヤさんの伴奏で歌われた巨匠Ustad Sayeeduddin Dagar(以下サイードさん)さんにいたっては、お父様もご本人もちゃんとヒンドゥーの名前をお持ち。これは知っている人もほとんどいないような事実だとか。面白い…。

実際youtubeでも、サイードさんがパリの美しい教会の中、Raga Bhopaliでヒンドゥーの祈りの歌を捧げているのが見れますよ。

そう、話は戻りますが、2日目に歌われたワシフさん一家はデリーの方で、デリーのDagar家系は珍しく、ムスリム色が濃いお家柄だそうです。

と言っても、結局お歌の中では歌詞はすべてヒンドゥ由来のもの。
Dagarはムスリム教徒のように見えますが、やっぱりこういうことなのだそうです。


さて、お話をまたメーラーに戻して。
2日目は私の兄弟子ラジェーシュ・センがカネコテツヤさんの伴奏で登場。
今まで聞いた中で一番好きでした。
RagaはJog。


この日は私ちゃんと朝6時ころまでいたのですが、チェックしていた演目が早々に終わってしまい、仲良しのお友達とお話をしていてほとんど覚えていないのです…。
そんなゆるい2日目でした。

さて3日目。
まずはこちら。

最終日のサイードさんの実の息子、Young Dagar Brothersの2人。
これまでは、なんだかガマクばかりだな~と思って聴いていたけど、今年は大きな進化を感じました。お父様の素敵なところをちゃんとキャッチしていてオリジナリティも生れていて、アーラープも気持ちよかった~。これからも楽しみな方がたくさんでうれしいな。



続いてはこちら。


ダルバンガ出身のカンダール流派、RamKumar Mallikさんとイケメン息子。

ドゥルパドには4つの流派がありますが、それぞれに役割があって、古い歌の中でそれが歌われています。カンダールは中でも兵士にあたり、文字通り力強く戦う男のよう。
これは男性にしか歌えないな…と圧倒されるような謎の歌唱方法(笑)。
ガマクも強烈。あれもこれもドゥルパド。ダーガルとの違いに驚くばかりです。

4日目にはこの方の弟が登場されますが、この方がまたすごい。実は大好きです。
3日目はこのあと休憩のつもりが朝まで爆睡。

最終日に続く…。



ほんとは今日ね、プチ旅行に出かけるはずが、大大ハプニングがございましてまだヴァラナシにいます笑。そんなわけで、ここにいる間にできることしなきゃ!と思ってなんだか書きすぎちゃった。

お付き合いいただいてありがとうございます。
おやすみ♪





2013/03/29

絣庵出店のお知らせ

帰国まであと2週間ほど。

まだまだやることいっぱいでばたばたですが、帰国早々にお歌ではなく絣庵での出店が決まりました。
お歌の方は、5月からなのでまたお知らせしますね。


わたしが大好きで心から尊敬するオリッシーダンサーの村上幸子さん。
ご存じの方もあるかと思いますが、ドゥルパドの傍らわたしもお歌で伴奏をさせていただいてます。

そんな美人の幸子さん、来る4月28日にこんな素敵なイベント企画中。
こちらでの出店です。





うれしいな。
帰国したらまたまたちくちくして、かわいい商品を増やそうと思っています。
写真は小さなポーチやブックカバーですが、大きなサイズの鞄やトートバッグなどもあります。



それから今回は、わたしがインドで愛用しているアーユルヴェーダのハーバルティーや、体に使っている優しいもの(石鹸やシャンプー、アロマオイルなども検討中)も持って帰りますよ~。

基本はオリッシーダンス体験で予約制だそうなのですが、お買いものだけのご参加もできるそう。

幸子さんは現地で集めた素敵なサリーやクルタ、パンジャビドレス(伝統衣装3点セット)、それからコスメなども。

同じくオリッシーダンサーの仲香織さんは、一時帰国中でインドのスイーツの出店もあるとか。

なんだかハイカラな一日になりそう。めちゃくちゃ楽しみーーー!!

是非来てね♡

グルジーのお誕生日

今年のグルジーのお誕生日は還暦なので盛大です。

4月12・13・14日と続けて、ムンバイ、コルカタ、ボパールなどなど、アーティストが集まって、コンサート三昧。ドゥルパドはもちろん、パカーワジソロ、カヤールまで盛りだくさん。

一日目には、やっとやっと念願だったチョーテーウスタッド:Ustad Zia Fariduddin Dagar(グルジーの師匠の弟であり師でもある)とグルジーのジュガルバンディが聴ける予定。
これまで50以上のステージを共にしてきたという2人のお歌、すごいことになりそう…。

チョーテーはこの日をとても楽しみにしていて、なんと自分のタンプーラをわざわざ運んできてくれるそう。甥であるルドラヴィーナ奏者のBahauddin Dagarももちろん来てくれる。

御年80歳、いまだ現役のDhrupad界が誇る大巨匠。
感激…


実は、わたしもちゃーんとお時間をいただいています。
チョーテーの前で歌えるのは、ほんとにほんとにうれしいな。



そういえば今日は、インドで一番大きな(危険な?)お祭り、ホーリーの翌日。
ホーリーは色粉や、色で溶いた水をこれでもかというくらいにお互いに掛け合うヘンテコリンなお祭りのこと。

ほんとにヘンテコさんで、街は顔も体も真っ赤、真緑、真っピンク、というかむしろ混ざり合て真っ黒、な人たちで溢れかえっていて、建物も同じ色になっていて、日本じゃとてもじゃとてもできそうにないお祭りです。遡りきれないくらい古い文献にも、今と変わらない様子で書かれているそう。

女の子にモテモテのクリシュナというイケメン神様も、最愛の人ラーダと色の付いた粉をかけあってよく遊んでるよね…。オリッシーダンスの中にもたくさん出てくるあの可愛いやつです。

実写版だと、たぶんこんな感じ…。笑っちゃダメ!

ちなみにDhrupadにはダマル(14拍子)というターラ(リズムサイクル)がありますが、だいたいこのお祭りのことを歌っていたりするのですよー。

そんなホーリー翌日の今日は1日中とても静かで穏やか。
こんな平穏なヴァラナシ初めて…。

今日のガンガージーと静かなガート

人はどこに行っても少ないし、お店は空いてないけどみんなが落ち着いていて、おじさまたちもハグし合ったりなんかしちゃって、とても幸せそう。
毎日こんなヴァラナシだったら…と思ったけど、きっともう明日にはもとに戻っちゃうな。うぅ。

かっこいい雷が日の出前から鳴っていて、雨が降ったり止んだり、とても涼しい1日。
なんか、いいな、いいな。

宇宙のどこかで起こっている不思議なこととか、言葉で表現できない美しさとかね、小さくコンパクトにまとめたら、今日もわたしの目の前に起こっていました、みたいなそんな気分。

ほんとは毎日それに気づいていられたら幸せなのに、人間なのでたまに忘れちゃって。
やーね。

でもわたしなんて、そんなものです。さ、寝ようかな。
みんな、幸せな夢見てね。

2013/03/18

Dhrupad Mela ドゥルパド・メーラー1日目


自分が出るわけでもないのに、毎年なんだか緊張するのがちょっと面白い。
今年はいろんな想いもあってさらに緊張。

期待を裏切らない幸せな4日間でした。

今年の出演者はこんな感じ。
ヒンディー語だけど。
というか出演依頼を送ったというだけで、実際は来ない方もたくさん。
そこはヴァラナシなのでご愛嬌。

でもウダイ王子が来れなかったのには撃沈…。
愛おしいお方がいる人生ってなかなかタフだけど、結構ロマンチックです。
生涯乙女宣言。


はっ!お話がそれた。

グルジーのは5番目のところに。
お名前の文字がまた美しいの。

てつさんのお名前、今年はかなり正解に近い。
来年は、とうとう大正解になる予定です。
是非見つけてね。

楽器奏者
歌手
パカーワジ奏者

さてさて、今年も私のグルジーPt. Ritwik Sanyalが、去年に続きカネコテツヤさんのパカーワジ伴奏でドゥルパド・メーラーをスタート。

うまく伝える方法が全然ないのだけど、とにかくここ数年のグルジーのお歌の中で、一番好きだった。涙が出るほど感動する音楽なんて、そうないの。
でも、確かにそういう時間だった。

音楽に何を求めるか、人によって全然違うと思うのだけど、私にとってはやっぱりこれ。
音、リズム、そして静寂。



てつさんの伴奏、素晴らしいのはもう十分わかっているし、一緒に歌っていてなおもとても幸せだけど、改めて、キラキラ光るオーラに包まれたような人だと思った。
2人とも、なおにとってはとても遠い人なはずなのに、ちゃーん同じ世界に居れる。
奇跡に近いようなことは、意外と起こってくれるのです。

神様に、いっぱいいっぱいありがとう言わなきゃ。


演奏の後、グルジーやグルバイたちとアーシュラムでご飯を頂いた。
「素晴らしい演奏の後のご飯はうまいうまい!」と、グルジーは何度も言ってとても幸せそうだった。
それがほんとにほんとに嬉しくて、また泣きそうになった。

私には、グルとしてRitwik Sanyalを越える人はいない。あんなお方はいない。
きっとみんなもそうなのだと思うけど。

でも、ステージに立つ人は、どんな人もとても美しく見える。
すべての演奏家から学ぶことができる。
メーラーは特に、多種多様のドゥルパドにどっぷり浸かれる数少ない感動の場所です。


そんなわけで1日目は、この2人の演奏が最高すぎて、他のお写真がないのです。
一応コアなドゥルパドファン(まだまだ少なそうだけど、どうか増えますように…)の為に1日目の載せておきます、が再びヒンディー、ごめんなさい(+_+)



載ってないけど、グルジの弟弟子大きなシタール・スルバハール奏者のプシュプラージ・コシュティさんも1日目でした。あんなすばらしい奏者を急きょいれるなんて…と思ったけど、過ぎたことはもう忘れよう!

私の姉弟子がすでにかなりの数のメーラーの映像をアップしています。
興味のある方は探してみてくださいね。「Dhrupad Mela 2013」とかそんな感じです。

2013/03/01

サラスワティプージャとか

あっという間に過ぎちゃったけど、サラスワティ女神のプージャ、2月15日に終わりましたよ。楽しかった~。

グルマーが毎年床に描くランゴーリーは、今年も素敵。
美しいランゴーリーで、神様をお迎えするのだそう。


この日から食べ始めるいまだにちょっと謎のラグビーボールみたいな形の小さなフルーツとか、ベンガルでよく食べられる春の果物とか、なんかもろもろわさわさ…。

インドって、デーヴディパワリーなんかのお祭りもそだけど、遠く空からでもちゃんとここに来てくださいよ神様~って、ガートを大量のキャンドルで飾ったりするけど、そういうとこ、好きだな~と思ふ。

グルマー準備ちう

グルジーのチャンティングではじまり。


この後全員で、サラスワティ女神のマントラなどを唱え、お花を捧げたりして。

最後はみんなで、Raga Bhairaviのサラスワティのバンディシュ(ドゥルパドの曲)を7拍子を歌うのがお決まり。とても美しくて満たされる。


2月15日あたりはコンサートがヴァラナシのいたるところでありました。
キシャーン・マハラジのおうちコンサートにも行きました。

大きい大きいガネーシュジーがいて、パカーワジ叩いてるの。
かっこいい~!!おひざの上にちょこっと座れてしまうくらいの大きさで、
ちゃんと左鼓面にはアタ(こねこね全粒粉、本物じゃないけど)まで貼られてます。



いいないいな~ パカーワジはやっぱりね、ガネーシャの楽器なのですよ。
そういえば、今日私のパカーワジメンテナンスから帰宅予定なのだけど…、
インドはインドなので、はい。

そういえば、夜の新しいラーガをお勉強中です。
レッスンの度にグルジのお話で、音でうるうる…。

のどの調子はぜーんぜんよくないけど、でもなんか大丈夫。
私、大丈夫な気がする!!

帰国がとりあえず決まりました。
早ければ4月14日に到着予定です。
今年もたくさんのところで歌えるように、頑張らないと。
新しく大阪での定期的なワークショップとか、京都でもぼちぼちとか…
なんとなくお話が進んでいる今日この頃です♪