2012/03/02

ヴァラナシに近づくこと

隣人の急病の為BHU(バナーラスヒンドゥー大学)の救急病棟へ行ってきた。ちょうど2年前、私も随分お世話になった。
今日は改めて、インドという土地の厳しさを痛感した。
症状は、昨夜からの強烈な吐き気と呼吸に伴うこれまた強烈な頭痛。一滴の水すら受け入れず全て出し切ってしまう脱水症状。あの悪化の勢いは絶対日本で起こり得ない。

食と日々の生活リズムは密接で、ちゃんと気遣って自分を見てあげること、意識してあげること、ほんとに大事。

そして、それでもやっぱり人間なんかにはどうしようもないような神様の為さることが存在しているのだろうと思う。ここの季節の動き方、湿度、それから衛生面云々以上に、土地が本来持つ性質、宇宙との関係が、元々そう簡単ではないのだ。

こういうところでインド人は生まれて死んでゆく。医療も精神性も、特異なのは当然のことだ。
彼らのこの説明しがたい心身の豊かさは、こういう激しい環境から育まれる。

次々と運ばれてくる患者の症状を見て、時に目が点になり、時に言いようのないため息が出、そして時に笑顔にもさせられる。
目まぐるしい時間。

また同時に、医師と看護師による淡々とでも確実にこなされていくその仕事っぷりに、感動すら覚える。狼狽えることを知らない人たちのよう。
巨大な病院内を案内してくれる警察官、優しいナース、笑顔が最高に素敵な薬屋のお兄ちゃん。どれも完璧に作られたシナリオか…。


なんでもない日常から、毎日降ってくる学びの数々。ここはシヴァの町、死の近い町、インド人が望む最後の地、そして私を生かしている活き生きる町。


日本という国は、ある意味ですごく恵まれているし、ある意味でとてつもなく貧しい。でも世界なんてそんなもの。どちらが良くてどちらかが悪いなんてことはない。ただそういうこと。

文字にしてはいけないような、あまりにも激しい一日だ。文才がなくてすみません。

私が生きる町は、そんなところです。そしてこの町を、心の底から愛しています。