2012/06/01

インド音楽リズムワークショップのお知らせ

【インド両面太鼓パカーワジ奏者カネコテツヤさんのリズムワークショップのお知らせ】

私のドゥルパド大先輩であるてつさんの、名古屋で大好評のワークショップが関西にも上陸!

そもそもインド音楽って、とっても複雑なものだと思われてる…。
確かにほぼ9割即興で繰り広げられていくし、みんながどこで盛り上がってるのか全然わからない!という人も多いかもしれない。でもほんとはとても自由で、まるでお絵描きしているようなものなのです。

このリズムワークショップは、そんなインド音楽のリズムの仕組みをたっぷり知ることができちゃいますよ。

○インド音楽のこともっと知りたいけど仕組みが全然わからない。
○どんな風にパーカッションとの即興が繰り広げられていくのか知りたい。 
○最近インド楽器始めたけどリズム・拍子をより理解したい。
○タブラ叩くときなんかしゃべってるけどあれ何?!

みたいな方、ほんとにおすすめですよ~!

インド古典音楽の核であるラーガ(旋律)をより楽しむためには、ターラ(リズム)を知ることは必須。
なので私はメロディ奏者ですが、実はとっても楽しみにしています。

今まで知らずに聞いていたインド音楽が、きっと一気に身近なものになる♪


インド音楽ワークショップ 〜リズムの数え方〜


【日時】 6月22日(金) 20:00~21:30
【講師】 カネコテツヤ http://pakhawaj.blogspot.jp/
【参加費】 1500円 (限定20名様 要予約) ※筆記用具持参お願いします。
【予約】 nima.dhrupad@gmail.com(すずきなお)またはinfo@koizumigakki.com  / 075-231-3052
お名前、連絡先ご記入ください。
※件名「インド音楽リズムワークショップ」
【場所】 民族楽器コイズミ
〒604-8091 京都市中京区寺町御池下がる 518番地
TEL:075-231-3052




【講師プロフィール】

カネコテツヤ(パカーワジ奏者)

Pt.シュリカント・ミシュラ(トゥーン・マハラジ)に師事。
インド・ベナレスで毎年開催されるドゥルパド音楽最大級イベント、ドゥルパドメーラに’02年よりレギュラー出演する。
’04年、第29回ドゥルパドメーラにてゴールドメダル受賞。インド各地で若手から巨匠まで数多くのミュージシャンと共演する。
日本ではフジロック(新潟)や渚音楽祭(東京)などのロックフェスティバルにも出演。
インド音楽リスナーワークショップを名古屋アルファヴィルにて2010年より不定期で行っている。

「叱る/叱られる〜疑う/疑われる〜UFO」

「Woodpecker キツツキ」


2012/05/01

オリッサへ行ってきました③


【オリッサ州の州都 ブバネシュワール】
ここは買い物天国!サンバルプールよりもとにかく品揃えがすごい。
どこのお店も置いているものが全然違うので、毎日いろんなお店に顔を出しては悩み、気温40度の町を歩きまわります。

ブバネシュワールは州都だけあってとても整備された都会。
インドの四大古典舞踊の一つ、オリッシーダンスを習いにくるインド人、外国人も多い。
私がドゥルパド修行の傍ら歌の伴奏をさせていただいている村上幸子さんや仲香織さんも、この町で修行を積んでらっしゃいます。

右:仲香織さん 左:村上幸子さん
でも実は行動範囲が布の買い付けに限られるので、いまだに町の全体のことはよく知りません。ほんとはもっとお寺にお参りに行ったり、買い物の範囲を広げたい。次回はシーズンに行って、ダンサーのお友達に案内してもらわないと!

でたらめなブバネマップ

今回もいっぱい仕入れました。柄は25種類くらい。中には日本人の好みではないな…というものも多々あるので、選ぶのがとにかく大変。

オリッサには少数民族が多数あって、それぞれに織りや染色の技術が残っているのだそう。
下の写真はKodpadというところのサリー。えんじ色の糸は草木染で、糸はすべて手つむぎ。厚みがあって洗うとどんどん柔らかくなる。ここで買うとかなり高価なものですが、現地では女性はちゃんとこのサリーを着ているのだとか。ショールを買おうと思ったけど、もっと気に入ったものが見つかってしまったので今回はお預け。



インドはシルクも有名です。
中でもビハール州で多く生産されているタッサーは、オリッサでも高級かつ需要が高い。絹は手つむぎ手織りのKhadiです。


※タッサー:インドの他のエリ・マルベリ・キモガを加えた四種の野蚕のうちでは一番大きい種類。7割くらいは国内で使われ、あとの3割はアメリカやドイツに輸出してるらしい。

Hari Lalさんに紹介していただいて、今回は町の中にあるウィーヴァーズ・サービス・センターというオリッサ中の織りの研究が行われている施設にも行ってみました。
緑いっぱいの施設の中で、いかにして伝統を維持していくのか、まだまだ未知のエリアが多い民族の研究などが進んでいるそう。たくさん布を見せてもらいました。





下の写真は今回仕入れた物の一部。かわいすぎて手放したくないけど、日本の絣好きな皆様の手元にお届けできたらうれしいな。
少しずつ少しずつ、絣が日本に戻ってきますように…。




オリッサへ行ってきました②

【サンバルプール】
オリッサの中では内陸部に位置するサンバルプール。メインと言える道路は一本しかなのでお店で溢れているけれど、人はいつも素朴で恥ずかしがり屋。外国人にはまだ一人も会ったことがありません。その為感じる視線は強烈ですが、珍しいだけ。笑顔はみんな素敵です。
写真をたくさん載せてみます。

ここでは必ずある市場に行きます。ここに来れば何でもそろうって地元の人が教えてくれました。


60年ほどの歴史のある市場で、中で働いている女性はおばあちゃんたちばかり。昔は今以上に当たり前に着用されてたんだろうなとわかるほど、ほとんどの女性がサンバルプリーサリーを着ています。着すぎてボロボロになっているけど、また味があって素敵。コットンだから夏はとても涼しく、着れば着るほど柔らかくなってふわふわする。

魚屋のお母さん、日本でもよく見るデザイン
市場なのでなんでも買えます。
野菜も神様グッズも魚屋さんも。海が近いのでオリッサの人はよく魚を食べる。


ただぼーっと笑ってるだけんのおばちゃんもたくさんいます。下のサリー、色のコントラストもインドっぽくてかわいい。


お花屋さんのお母さん。ブラウスもサリーもサンバルプリー。眼差しが素敵。


このお父さんはシャツに仕立ててる。


水瓶屋さん この中に水を入れておくと水がひんやりしてくる。これからの時期はどの家庭でも必須です。


最後は市場の近くのドゥルガージーのお寺。めちゃくちゃかっこいい。いつも人で溢れてる。



オリッサへ行ってきました①


オリッサへ行ってきました①

布の買い付けと織りの村を訪ねるため、東インドオリッサ州へ行ってきました。
4月も後半を迎えたオリッサの暑さ… 海からの湿気と高温で町は完全にヒートアップ。
体力的には厳しい旅でしたが、素晴らしい織りの数々に出会い大満足でヴァラナシに戻ってきました。

【織りの村 Jhiliminda】
ヴァラナシから、サンバルプールエクスプレスに乗って20時間。サンバルプリー織りの名前の由来になっているサンバルプールという小さな町があります。現在この町ではほとんど布は織られておらず、ここから約100㎞圏内にたくさんの織りの村があり、シャツやクルタを作る為のマテリアルを作る村、サリーを作る村、ショールを作る村、ベッドカバーを作る村… などなどが点在していて、家庭によってもさまざま。
でこぼこ道をひたすら進む
去年から、オリッサの織り(デザイン)で伝統工芸の賞を取られたHari Lal Meher氏に会うため、Jhilimindaというサンバルプールから約70㎞離れた小さな村を訪れています。
村の方々の優しさに触れつつ、案内をしてもらいながら村を散策。

小さな村ですが、織りのおかげで村は十分に潤っているように見え、清潔そうな制服を着た子供たちとたくさんすれ違います。
かなり気温(最高は50度を超えることもある)があがるオリッサ、村の家はだいたい土壁になっていて、中は小さな扇風機を回すだけでひんやり涼しい。土の床を掘ったところへ機織り機を置いて、直接床に座って織るのが普通。

土壁のおうち

この子は10歳くらいから家族に教えてもらいながら遊び感覚で織りを覚えていったとか。織っているのはハンカチ。クッションカバーになったりもします。こうして子供の頃から織り始めるので、20歳にもなれば十分プロと言えそうです。


村の女性はみんなサンバルプリーのサリーを着ている。日常に溶け込んだ伝統。


それぞれの町で、染色から織りまですべて手作業で行われます。緻密な計算の上で織られる絣。その美しさには見とれてばかりです。
下の写真は染めの工程の見本。これで染めていく順番がよくわかります。
①花びらの淵が染まらないように糸で縛る。
②黄色に染める。
③花びらを黄色で残しておく為に、花びらを糸で縛る。
④全体を赤に染めて糸をほどくと淵は白く残る。
※淵の色は、縦の糸が何色になるかで変わってくる。


この方がHari Lalさん。このサリーはKhadi(手つむぎの糸で織られた布)で、染色は草木染。一つは受賞の際にデリーに収め、一つは手元に置いてらっしゃいます。
手つむぎ手織りのため、質感が本当に優しい。ずっと触れていたいような温かみがあります。


このデザインは織りの工程を描いたもので、非常に細かくかなり技術が高いものだとか。素朴な人間の、何気ない日常。生活の中に当たり前にある彼らの織りの生活が描かれています。

最後には美味しいおうちタリーを頂いて帰路につきました…。


2012/04/11

サンカトモーチャン音楽祭始まりました


昨日からサンカトモーチャン寺院で5日間の音楽祭がスタート。

ドゥルパドは一組も出演がないのですが、Khayal界の素晴らしい音楽家がたくさんやってくるのでいっぱい楽しもうと思っています。

昨夜はマンドリンのShreeniwas親子、ボーカルRitesh-Rajnish Mishra(Rajan-Sajan jiの息子)、Pt.Tejendra Narayan Majumdarのサロードを聴いてきました。実はその前にPt.Hariprasad Chaurasiaのバンスーリーがありましたが、隣人と自宅で優しい食事を楽しんでいたらすっかり見逃してしまいました。

ちなみにTejendraさんはSagarさんやばくさんのグルジー。伴奏は、松本こうちゃんのグルジーのPt.Shubhankar Banarjiでした。睡魔と闘いながら5時までたっぷり演奏を聴いて帰宅。
仮眠をとって、11時からのレッスンもしっかり楽しんできたところです。

今日以降はこんな感じです。スペル間違ってたらごめんなさい。他にもいろいろあるけどピックアップしてます。

4月11日 2日目
・Pt.Birju Maharaj(カタックダンス、インドの人間国宝)
・Ustad Nishad Khan (シタール)
・Pt.Jasraj(ボーカル)

4月12日 3日目
・Shree Sukhdev Mishra(ヴァイオリン)とPt.Ashok Pandey(タブラ)
タブラ斎藤尚登くんのグルジー。もう5年来ずっと大ファンの方。素晴らしい音色と醸し出す彼の世界は最高です。そこにいるすべての人をあっという間に幸せにしてしまうタブラプレーヤー。
・Pt.Suresh Talwalkar(タブラソロ) 実は私はあまり知らないのですが…、パカワジてつさんお勧めの方なので必聴です。
・Pt.Ronu Majumdar(バンスーリー)
・Pt.Ulhas Kasalkar(ボーカル)大好きなカヤールシンガーの一人。今回私が一番聴きたい方です。

3日目は寝る時間もなさそうなくらい充実しそうです。早朝にウルハスさん聴いたら直でレッスンな予感。もう気にしないし、この日だけは朝まで絶対頑張る。

4月13日 4日目
・Shree Vishal Krisna(カタックダンス)ヴァラナシ出身のダンサー、結構好きです。
・Pt.Channulal Mishra(トゥムリシンガー)
・Pt.Vishwa Mohan Bhatth(モハンヴィーナー)

4月14日 5日目
・Shree Ratikant Mahapatra(オリッシーダンス)
・Pt,Bhajan Sopori(サントゥール)
・Pt.Vishwanath(ボーカル)
・Pt.Rajan-Sajan Mishra(ボーカル)

あんまり書いてないのですが、ボーカルもたくさんあります。あまり知識がないので、よくわかんない分余計楽しみだったりします。

ちなみに伴奏もとっても豪華です。今日も楽しみ。明日はレッスンがないから、Jasraj jiまでたっぷり楽しもうかな。

溶けるような暑さ


4月のヴァラナシは40度を超える気温になってきました。日中は外出が億劫ですがまだまだ平気。もう一息頑張ります。

今回は長い間喉を悪くして辛かった分、神様がいっぱい幸せを運んで来てくれたような気がします。
短い滞在で、こんなに充実した日々を過ごしていることに心から感謝。もう半年くらいたった気分。

グルジーにとってはほんとに出来損ないな弟子の私ですが、彼からの愛情はたっぷり受けています。
それに応えるべく、少しずつ少しずつ前に進んでいかないと。ほんとにゆっくりでも、彼を信じて歩いていけばなんとかなる。そう確信しています。

今シーズンはパカワジ奏者カネコテツヤさんにもたくさん練習をして頂きました。
彼からもらっているエナジーは言葉にならない。というか言葉にしてはいけない気がする
ただただドゥルパドの道を歩きたいと思わせてくれる、心から尊敬する音楽家です。

2月に開催された私にとっての最大のイベント「ドゥルパド・メーラー」では、グルジーの伴奏をてつさんがしてくれました。
その後音源はもう何度も聴いているけど、飽きることがない素晴らしい二人の演奏です。


昨日から始まったサンカトモーチャン音楽祭が終わったら1週間ほどここを出て、オリッサへ布の買い付け。

その後また戻ってきて、バッグや服の仕立てを済ませつつ最後のレッスンを受けたいと思っています。まだチケットは取っていないけど、予定より少し早く5月頭には帰国予定。両親の喜ぶ顔が目に浮かびます。

2012/03/02

ヴァラナシに近づくこと

隣人の急病の為BHU(バナーラスヒンドゥー大学)の救急病棟へ行ってきた。ちょうど2年前、私も随分お世話になった。
今日は改めて、インドという土地の厳しさを痛感した。
症状は、昨夜からの強烈な吐き気と呼吸に伴うこれまた強烈な頭痛。一滴の水すら受け入れず全て出し切ってしまう脱水症状。あの悪化の勢いは絶対日本で起こり得ない。

食と日々の生活リズムは密接で、ちゃんと気遣って自分を見てあげること、意識してあげること、ほんとに大事。

そして、それでもやっぱり人間なんかにはどうしようもないような神様の為さることが存在しているのだろうと思う。ここの季節の動き方、湿度、それから衛生面云々以上に、土地が本来持つ性質、宇宙との関係が、元々そう簡単ではないのだ。

こういうところでインド人は生まれて死んでゆく。医療も精神性も、特異なのは当然のことだ。
彼らのこの説明しがたい心身の豊かさは、こういう激しい環境から育まれる。

次々と運ばれてくる患者の症状を見て、時に目が点になり、時に言いようのないため息が出、そして時に笑顔にもさせられる。
目まぐるしい時間。

また同時に、医師と看護師による淡々とでも確実にこなされていくその仕事っぷりに、感動すら覚える。狼狽えることを知らない人たちのよう。
巨大な病院内を案内してくれる警察官、優しいナース、笑顔が最高に素敵な薬屋のお兄ちゃん。どれも完璧に作られたシナリオか…。


なんでもない日常から、毎日降ってくる学びの数々。ここはシヴァの町、死の近い町、インド人が望む最後の地、そして私を生かしている活き生きる町。


日本という国は、ある意味ですごく恵まれているし、ある意味でとてつもなく貧しい。でも世界なんてそんなもの。どちらが良くてどちらかが悪いなんてことはない。ただそういうこと。

文字にしてはいけないような、あまりにも激しい一日だ。文才がなくてすみません。

私が生きる町は、そんなところです。そしてこの町を、心の底から愛しています。