2012/07/16

わたしの音

自分のこと、自分の音、知ろうとすればするほどよくわからない。
一番近くて一番遠い存在。

こんなことならもういっそのこと、手放してしまいたい。自分のことなんて。
音に乗って、天高く飛び立ってしまえばいいのに。

と、思ったけど、そんな手放せる瞬間はドゥルパドを歌っているとやってくる。
まだ、一回しかないけどね…。


その時はグルジーが目の前に居てくれた。

あの日はもう、どうにもならない驚き、うれしさ、悲しさ、音とつながった感動で、
レッスンから帰って夜寝付くまで、涙が止まらなくって家から出られなかった。

グルジーには見せたくなくて必死でこらえて、マンションを一歩出たら洪水みたいに涙がこぼれた。

すごいものと出会ってしまったと思った。
グルジーとラーガの持つ力に、ただ圧倒された。

溜まっていたものが体の芯から溢れ出て、それをぜーんぶ体の外に吐き出した…。
でもそれはただ飛び出したんじゃなくて、音に乗って一緒に出ていったの。
わたしね、見ちゃったのです。

わたしだけじゃなくって、グルジーも見てた。
グルジーも一緒に驚いてた。

グルジーは何も言わないで吸い込まれるみたいにわたしをハグしてくれて、
何かを察したグルマーが、またわたしを強く強くハグしてくれた。
グルジーが彼女にテレパシーを使ったの。


目を閉じて沈黙して、心を鍛えねば。
そばにグルジーがいなくても、歌に籠められるように。
いや、そばにグルジーがいなくても、ほんとはもっと近くにいるのだといつも気づいていられるように。

神様がこの魂にこの体を与えてしまったから、これと生きていかないといけないの。
ありがとうって言いながら、生きる。


愛するものに愛され、頼るものに頼られ、癒してくれるものを癒す。
まだまだここからです。


わたしまだ、そんな何かを探している途中なのです。






0 件のコメント:

コメントを投稿