自分のこと、自分の音、知ろうとすればするほどよくわからない。
一番近くて一番遠い存在。
こんなことならもういっそのこと、手放してしまいたい。自分のことなんて。
音に乗って、天高く飛び立ってしまえばいいのに。
と、思ったけど、そんな手放せる瞬間はドゥルパドを歌っているとやってくる。
まだ、一回しかないけどね…。
その時はグルジーが目の前に居てくれた。
あの日はもう、どうにもならない驚き、うれしさ、悲しさ、音とつながった感動で、
レッスンから帰って夜寝付くまで、涙が止まらなくって家から出られなかった。
グルジーには見せたくなくて必死でこらえて、マンションを一歩出たら洪水みたいに涙がこぼれた。
すごいものと出会ってしまったと思った。
グルジーとラーガの持つ力に、ただ圧倒された。
溜まっていたものが体の芯から溢れ出て、それをぜーんぶ体の外に吐き出した…。
でもそれはただ飛び出したんじゃなくて、音に乗って一緒に出ていったの。
わたしね、見ちゃったのです。
わたしだけじゃなくって、グルジーも見てた。
グルジーも一緒に驚いてた。
グルジーは何も言わないで吸い込まれるみたいにわたしをハグしてくれて、
何かを察したグルマーが、またわたしを強く強くハグしてくれた。
グルジーが彼女にテレパシーを使ったの。
目を閉じて沈黙して、心を鍛えねば。
そばにグルジーがいなくても、歌に籠められるように。
いや、そばにグルジーがいなくても、ほんとはもっと近くにいるのだといつも気づいていられるように。
神様がこの魂にこの体を与えてしまったから、これと生きていかないといけないの。
ありがとうって言いながら、生きる。
愛するものに愛され、頼るものに頼られ、癒してくれるものを癒す。
まだまだここからです。
わたしまだ、そんな何かを探している途中なのです。
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