サンギートナータクアカデミーというインド音楽や舞踊、演劇を扱うインド政府機関。
そのアカデミーが毎年選出するサンギートナータクアカデミーアワードに、2013年度私のグルジーが選ばれました。
とても名誉あるこの賞は、小さい頃から歌い続けて、音楽学だけに留まらず、サンスクリット語、インド哲学、ヒンドゥー思想にまで深く深く学びを追及してきたグルジーの一つの結果に過ぎないのだけど、それでもとっても嬉しいものでした。
ラーガのこと、歌詞のこと、神様のこともダーガルのことも、聞けばなんでもさらっと答えをくれるグルジーはインドの歩く辞書だと思っていたけど、間違いないみたい。
アカデミーの授賞者は興味深い人たちばかりでした。
ヒンドゥスターニー(北インド古典)音楽部門では4人。
Shri Ritwik Sanyal (Vocal)
Shri Dhruba Goshさん(Sarangi サーランギーゆうじくんの先生)
Shri Hashmat Ali Khan (Tabla 今第一線で活躍しているタブラ奏者Akram Khanさんのお父様)
Shrimati Veena Sahasrabuddhe (Vocal)
他にカルナータカ音楽、カタック・オリッシーなどの舞踊、各地の伝統演劇、楽器製作者など。。。
みんなキラキラしていて本当に美しかった。
授賞式は大統領官邸にて、インドとは思えないような効きすぎの冷房と完璧な秩序、厳重な警備体制を保ちつつ、あっという間の30分で終了。リハーサルは1時間くらいやったのに。
大統領プラナブ・ムカルジーさん、想像以上に小さなお方で、一瞬会場は「ん?どこ?どの人?」な空気に包まれました。でも彼の穏やかな表情にほっとしました。
グルジーの名前はさらりと一番最初に呼ばれ、ゆっくり堂々と歩くグルジーの姿はあまりにも美しくてうるうるしましたです…。すぅーっと気持ちの良い鳥肌が立つような感じ。
続いて呼ばれたゆうじくんの先生の優しそうな笑顔にまた感動して胸いっぱい。
インドによくある最初の無駄なおしゃべりなんか一切なく、余計なものをすべてそぎ落としたみたいな静かな静かな授賞式はとても芸術的で、良きインドを想わせました。
もう一つとても感動したのは、ガタムメイカーの女性。
南の小さな村から旦那様に連れられていらした彼女は、英語はもちろんヒンディー語も話せない方だったけど、「ガタム作ってご飯作ってただけの人生だったのに、なんだかすごい事ですわ」と食事の席でグルジーにお話をされたそう。とても居心地悪そうに大統領の方へ歩いて行くお姿に、またうるっ。
翌日からは7日間の授賞者によるコンサートが始まりました。
コンサートというよりは、上質なお祭のような感じ。
それぞれ短い演奏で2日間しか聴けなかったけど、お腹いっぱいでした。
まずはグルジー。
Raga Purvi とRaga Puriya。パカーワジはデリー在住のダルチャンダ・シャルマさん。
息の合った演奏、素晴らしかった。
ゆうじくんの先生、お歌もお上手。
独特の奏法に驚きを隠せず。。。 最後の絶妙なフェイドアウトの仕方、すごい表現しがたいけど個性的でぐっと掴んで離さない。
いつもよりかなり穏やかな演奏だったみたいだけど、今度ゆっくり聞いてみたいとさらに思いました。
最後はハシュマット・アリ・カーンさんご一家。
これはもうきっと見れない共演だろうなーと思って超嬉しかった!
キレのある衰えを感じさせない澄んだ音に、「ワァ、ワァ、キャーバーテ」の連続。
「タブラ奏者の息子が育ち、今右隣りには息子の孫、左隣では娘の息子がハルモニウムを弾いています。こんなに幸せなことはありません!」てとても嬉しそうで、会場がわーー!!と一気に盛り上がりました。
そしてアクラム・カーンさんの息子でありパパな姿にキュンとして、ちょっと得した気分♥
アクラム・カーンさんもそうだったけど、インドは改めてお父さんお母さんをリスペクトする姿が如実です。ピター・マーター・グル、この3人が、神様以上になったりするの、それがインド。
そんなわけで、充実したデリー滞在。
改めて、グルジーの偉大さに感無量。この経験、すべてグルジーから頂いているもの。
私が歌えるの、私が音楽で感動できるの、神様を愛せるようになったの、両親の愛に素直になれるの、グルジーがくれるものは結局、「愛」以外のなんでもないからだと思う。
愛ってね、すごい。
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